広島の家  −ゆったりとした階段をもつ狭小住宅−

夫婦と、週末に施設から帰省する息子のための小住宅。
・身体的な問題を抱える住まい手の日常的な負担や不安をなるべく減ずること
・厳しい予算
これらを解決しつつ、気持ちのよい住まいをどう実現ていくかが設計の目標でした。

生活機能すべてを1階に集約できればよいのですが、面積的に不可能でした。
そこで身体的にも精神的にも負担の少ない上下移動の実現が計画の大きなポイントに。

1階階高を極力低くして階段の段数を減らすとともに、狭小住宅にも関わらずスペースを階段に大きく割き、踊り場のある緩やかな階段を実現しています。
建物中央に配されたこの階段からは、光や風が家の内部にやさしく配られ、機能的にも精神的にもこの家の要となっています。

コストを縮減するため、建物は単純な切妻屋根の総二階建としていますが、1階階高を抑えたことによる高さのメリハリや、 小屋形状を活かしたロフト(物置・ゲストスペース)の構成などにより、外観に比べ内部は変化のある楽しい構成となっています。
材料やディテールも、一般的なもののみを使って低予算に対応しています。

単純でありふれたローコスト手法を採用しつつも、開口部や部屋の寸法、位置、バランス等を大事に練り上げ、素朴な良い家に辿り着くことを目指しました。


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 所 在 地 広島県広島市
 用  途 専用住宅
 建築面積 約44u
 延床面積 約79u
 規模構造 木造、地上2階
 施  主 個人
 施  工 株式会社エヌテック
 設  計 TABLE 1 STUDIO