墨田区北斎館(仮称)基本設計プロポーザル

葛飾北斎をテーマとした美術館のプロポーザル提出案。毒島建築設計室と協働。

まず展示室・収蔵庫・ラボを高床の倉に納め、その高倉の足元を大きく開放することを考えます。 そのとき、足元空間をより気持のよい場所とするため、上部の高倉ごと1層分持ちあげたうえ素朴な土手によって立地する街区公園とつなぎます。
この足元空間は透過性あるワンルームで、いわば公園に付随する大きなテラスです。 学習機能を持つ各所と立体的につながり、あずまや・地域寺子屋・イベントスペースなどとして日常・非日常の様々な使用に対応します。
上階の高倉部分は、単純に「上バコ」と名付けた簡素な印象の二重壁をかぶせて、内部環境の安定を図るとともに原則遮光が求められる展示空間を控え目に下方へ開きます。

共有財を地域の象徴となる高倉に収蔵し、その足元は日常生活の場として「普段使い」するわかりやすい姿が、地域に立つ公共建築としての美術館にふさわしいと考えました。
同時にその単純な方法が今回の場合、日常的な娯楽であり高度な美術品でもある浮世絵の両義性を素直に表現することにつながるかもしれぬと考えました。

 所 在 地 東京都墨田区
 用  途 美術館
 建築面積 約700u
 延床面積 約3780u
 規模構造 RC造、地上5階 地下1階
 提  案 毒島建築設計室+T1S